腹圧性尿失禁
1. 腹圧性尿失禁とは
腹圧性尿失禁は重い物を持ったり、笑ったり、くしゃみをした際に尿が漏れてしまう疾患です。
お腹に力が入ると膀胱に圧力が加わります。普段は膀胱の出口にある括約筋が閉まって尿が漏れないようにしていますが、その圧力に耐えられずに尿が漏れてしまうことが原因です。
女性に多くみられ、特に出産を経験した女性や高齢の女性にみられる事が多い疾患です。
2. 治療
治療としては、まず骨盤底筋運動という運動をして、尿道括約筋を鍛えます。
おならや下痢を我慢する時のように、膣や肛門を締めるように意識する運動を繰り返します。
2秒ほど締めて、弛める運動を20回ずつ、朝昼晩寝る前の計80回程度することから始めていきます。
また内股にものを挟んで、締めるように力を入れる運動も効果的です。
すればするほど効果が上がるので、出産前から意識してやってほしい運動ではありますが、非常に単純な運動であり、飽きてしまってなかなか続かないかもしれません。
また骨盤底筋運動に加えて内服治療を行っていきます。現在一般的に使用されているのが、クレンブテロール塩酸塩(商品名:スピロペント)という薬です。
朝夕で2錠ずつ飲む薬であり、骨盤底筋運動と併用することで症状が軽快してくれば、減量、中止していく事が多いです。
以上のような治療で軽快しない方には手術療法を検討していきます。
TVTもしくはTOTという術式で、尿道にテープをかけて吊り上げる方法です。詳細に関しては、ぜひ当院にご相談ください。